別いちご
アマギフ詐欺なんて言葉が横行している。
現金派の僕にしてみれば、アマギフに何のメリットがあるのだろう?などと思うが、クレジットカードを登録せずにアマゾンで買物ができるので、カードを持っていないような人にはありがたい仕組みなのだろう。
カードを持っていないような人・・・いわゆる未成年。現金だと受け渡しが必要になるが、アマギフならギフト番号のやり取りだけで済んでしまう。先に番号だけ聞き出してドロンなんてこともあるらしい。これがアマギフ詐欺か、勉強になりました。
僕は、そんな詐欺に引っかからない自信があるし、何よりもアマギフには関わったことがない現金至上主義者だ。
そう思いながら、出会い系サイトで、いい感じの割り切りの女の子とコンタクトを取ってみたところ、契約が上手くまとまりかけた。
その時、彼女から言ってきたのだ。「支払いはアマギフで」。
コンビニでギフトカードを買って渡せばいいんかな?と思ったが、先に番号を教えてくれ、と言う。
会ってもいないのにお金は渡せないよ、と言うと、先払いで安心させてくれませんか?と言う。何でも、前に割り切りをした男が、やるだけやってお金を払わなかったことがあって、それ以来、先にもらうようにしているなどと言う。
さて、ここからは猜疑心との戦いだ。
僕は、お金はきっちり払ってきた。中には、とんでもない地雷女もいたが、それでも授業料だと思って払ったものだ。
ただし、彼女が言っていることが真実ならば、先払いを望む気持ちもわかる。ここで渋るような男は、きっと金払いもよくないに違いない、と推察されるのは目に見えている。
仕方がない、初めてのアマギフだ。一度くらいなら、アマギフ詐欺にかかってもあきらめがつく。アマギフを懐疑するなら、詐欺にかかってからでもいい。
そんなわけで、僕は彼女にアマギフで支払いをした。
そして、その翌日、彼女は待ち合わせ場所に現れなかった。そして、きっと、サイトからもアカウントごと消えているのだろう。
僕の周りでは、楽しそうに居酒屋ののれんをくぐるサラリーマンの群れ、これから夜を謳歌するであろう微笑ましい恋人たち、部活帰りなのかジャージ姿で騒ぎながら自転車をこいでいる学生たちが、ひっきりなしに動いている。
そんな中で、僕は二度とアマギフは使わんと決意しつつ、ひとりぽつんと立ちつくしていた。
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